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【受験英語の長文】速読が苦手な人必見!5つのヒントと学習方法

英語コラム

2023.06.13

英語長文の速読が伸びないあなた

英語が苦手。模試で英語の偏差値がどうしても伸びない。そんな人にとって、高い壁となっているのが長文です。特に、進研・河合のマーク模試で最後まで問題が解けずに、5割・6割の点数の壁がなかなか超えず悩んでいる人はたくさんいるのではないでしょうか。

何か、簡単に実践して長文がすらすら解けるようになる!そんな魔法の勉強方法があればいいのですが、残念ながら英語が苦手な人ほど「時間と努力」をかけずに得点をあげることはできません!!

ただし、計画性なく英語を勉強するのも非効率です。ここでは、今までに学校の現場で数千人の生徒を指導し、共通テストで8割・9割以上。なかには満点(20年指導してきて今までに2人しかいませんが・・・)をとった生徒に高校3年生の1年間で徹底して指導し実績ある結果をだした、勉強方法の一例をご紹介します。

英語長文速読[その1] 語彙力を鍛える

英語の語彙力を増やすことは、これは英語を勉強するうえでのMUST(絶対)です。だれもがわかっていることですが単語・イディオムをたくさん覚えることが読解力向上の鍵となります。新しい単語を学び、定期的に復習することが重要です。単語帳や語彙力向上のためのアプリを上手に活用しましょう

① 志望校によって覚える単語力の目安を変えていこう

  • [中堅私大/共通テスト6割] 一般的な単語帳の約半分
  • [難関私大/共通テスト7~8割 一般的な単語帳の2/3~3/4
  • [超難関/共通テスト9割以上] 一般的な単語帳の全てを網羅しておく

(注)あくまでも指導経験上の参考の数字ですが、完璧に覚えるべき単語数は、各学校のレベル・入試問題・合格最低点などによって変わります。

② 単語は1ヶ月で300個・勉強時間は1日10~15分!

 単語の勉強は毎日やることが肝心。だから、続けられる時間設定が大切で、毎日同じ時間(朝が有効)に集中力を高めてやることが肝心。また、人間は何回も反復して脳に記憶する特性があるので、小刻みに覚えるのではなく1週間で100個を目安に、以下の方法を実行すれば、数ヶ月経っても忘れずに単語を覚えておくことが可能です。

【単語を覚える方法の一例】

1週目

  1. [月~水]3日間は1~100の単語を「英語→日本語」の準で覚えるのではなく音読する。できれば、10~15分で2周(計200回)できればなおよし。
  2. [木]に1~100の単語テストをしてみる。そして、間違ったところに「正」の字を入れる。
  3. [金・土]で昨日やったテストで間違ったところをだけを、集中して覚える。 
  4. 日曜日にもう一度、1~100まで単語テストをして、間違った箇所に「正」の字をいれていく。                 

2週目 101~200番の単語を1週目と同じように学習する。

3週目 201~300番の単語を1週目と同じように学習する。

4週目

  • ・(1) 月~水は1~300で「間違った」英単語を「英語→日本語」の準で覚えるのではなく音読する。できれば、10~15分で2周する。
  • (2) 木に1~300の間違った箇所の部分の単語テストをしてみる。そして、間違ったところに「正」の字を入れる。                         
  • (3) 金・土でこの1ヶ月でなかなか覚えられない単語をノートなどにまとめる。  ここが大切!:人間はなかなか覚えられないものが必ずあります。何回やっても覚えられない単語や表現は抜き出してノートにまとめておくと、大切な試験前に無駄なく単語の復習ができます!!
  • (4) ノートに書いた単語を見直す。これで1ヶ月で300個。3ヶ月で900個の単語が英語の苦手の人でも7~8割の単語を覚えることができます。単語力が増えると長文を読むときのストレスがグ~ンと減りますよ!!

                        

英語長文速読[その2] 「構文解釈」練習の必要性

模試や英検、または大切な入試の時でさえ、英語の長文を解くとき、英文1文1文を日本語に訳していくことに必死で、肝心の内容が全然入ってこない経験は、英語学習者にとって誰もが少なからずあるのではないのでしょうか。
試験の際、長文の内容を理解するのは「あたりまえ」のことで、内容がわかったからといって設問に正解するわけではありません。設問は、問題作成者が受験者がどのような傾向で出題すれば間違いに導くことができるかをよく知っています。ですので、設問に慌てず正確に解答するためにも、長文の内容を読み解くことに必死になっているようではいけません。
英文は、それぞれの単語が役割をもってポジションについています。瞬時に文の構造を読み解き、内容が頭に入るためには、まずは「構文解釈」の練習が必要です。

①英語の構文解釈とは

英語の問題レベルがあがればあがるほど、1つの文に使用される語数が増え、文は長くなり内容を理解しにくくなります。しかし、どんなに文が長くなったとしても英語の文の型は5つしかなく、たくさんの修飾語句によって文の内容に深みを与えているだけに過ぎません。
*第1文型:sv / 第2文型:svc / 第3文型:svo / 第4文型:svoo / 第5文型:svoc

英文の構造を理解すること、主語や述語(動詞)、目的語などの位置や関係を理解することで、文の意味や情報の伝達がスムーズになります。
英語の構文解釈とは、文やフレーズの構造や文法的な関係を理解することを指し、英語の文法ルールや構文パターンを適用して、文を解析し、文法的な構造を明確になり、英語の文章を的確に理解する上で重要なポイントとなります。
非常に長い長文を、限られた時間で的確に情報を得るためには、文の構成要素(主語、述語、目的語など)や句(名詞句、形容詞句、副詞句など)の役割を特定し、それらの要素がどのように結びついて文全体を形成しているかを一瞬に分析する力は必須です。

②構文解釈の練習方法

やさしい文章を使って、英文の構造分析をやってみましょう。

例えば、次の文を考えてみましょう:
“He is watcehing YouTube at home now.”

この文を構文解釈すると、”He”が主語であり、”is watching”が述語(動詞:現在進行形)です。”YouTube”は目的語です。”at home”は場所を表す前置詞句、“now”は時を表す副詞です。このように、構文解釈によって文全体の構造が明らかになります。

構文解釈は、文法的な正確性や文の意味を理解する上で重要なスキルです。特に英語を学習する際には、構文解釈を通じて文法を理解し、適切な表現を使いこなすことが求められます。

構文解釈の学習は、文法の基礎を築き、長文の読解力やコミュニケーション能力を向上させる上で欠かせないスキルです。英語構文の理解は繰り返しの練習や実践を通じて深めることができ、文法書や教材、実際の文章や会話の中で文型や品詞の役割を学び、使い方をマスターすることをこころがけましょう。

英語長文速読[その3] 正しい速読練習

語彙力がつき、英語の構文読解がある程度理解できたらいよいよ「速読」の開始です。ただし、当然ながら速読練習を行ううえでの大切なやり方があります。
大切なのが「テキスト」選びと「英文の読み方」です。

①レベルを下げた長文で練習する

長文を苦手とする人がいつも、読解の途中で「迷走」してしまうのは、意味のわからない単語・熟語・構文に出会うたびに、その文を「訳す」ことに精一杯となってしまい、一番大切な「長文の内容」が頭に入ってこなくなるからです。
長文問題は、「止まることなく一気に長文を読み」、そして読み終わったときに作者が伝えたいことを理解していることが大切です。
そのため、速読練習では、基本的に知らない単語がない優しい文章をつかってやることをお薦めです。例えば、英検2級に合格している人は準2級の問題を。英検準2級に合格している人は3級の問題を使うことがいいでしょう。
そうすれば、読み進めていく途中で語彙や表現的にわからない文章が減り、内容に集中して読む解くことができます。あくまでも「速く・正確」に読むための練習ですので、難解な長文問題を使ってやる練習ではありません。

②「返り読み」の禁止

みなさんは、英語の授業で長文を読むときは「返り読み」はしてはいけないと、先生に注意されたことはないですか。英語の文章の語順(主語→動詞→目的語/補語→修飾語…)は日本語とは大きく違います。
例えば、“I will study English in Canada some day.” という英文を日本語に直すと、「私はいつの日かカナダで英語の勉強をするつもりだ。」となりますが、日本語の語順通りに通りに英語を並び変えると、「I some day in Canada English will study.」となります。
本来ならば、『英語は英語』で理解するのが一番ですが、日本語をどうしても使ってしまうことは仕方ないことです。しかし、英文を日本語になおすとどうしても『後ろから前に』もどってしまい、1文だけではほんの僅かな時間の誤差であっても、入試のように長い長文を読み解くと大きな時間のロスとなってしまいます。
“I will study English in Canada some day.” の英文を理解するとき、前から「私は→勉強すんねん→英語を→カナダで→いつか」という順番で内容をキャッチするよう心がけて、長文の意味がわかることが速読ができるうえでの大きな大きなポイントの一つです。

③ 高い集中力で英文を読解すること

速読は集中力を必要とします。速読が得意な人は、注意力を集中させ、長時間にわたって集中して読むことができます。
速読練習をする際は、実際の解答時間より、必ず短めに解答時間を設定し、時間をはかってやること。とにかく速く速く読み解くことに重点をおき、集中して行うようにしましょう。

④ スキミングとスキャンの技術を磨く

速読をする際には、文脈を理解することが重要です。速読が得意な人は、文章内の情報をつなげて理解する能力を持っています。そのためには「スキミング」と「スキャン」の技術が要求されます。
スキミングとは、英語の文章を斜め読みしながら文章全体の内容をつかむテクニックです。文章を読む前に、「タイトル」「見出し」「図表」などにざっと目を通すことで、何について書かれた文章なのかという概要を把握し、文章全体の意味をつかみます
スキャンは、素早く情報を見つけるために文章を走査する技術です。
これらの技術を使いこなせるようになると、ただ読むだけでなく、読むべく所はしっかりと、必要のないところはあっさりと、読会中もメリハリのきいたリズムで長文が読めるようになります。

①~④の内容で練習を積むと、効率的に大量の英語のテキストを読むことができるようになります。ただし、速読は回数を重ねることでスキルを磨けるもので、一度に全てを習得することは難しいことを忘れてはいけません。

英語長文速読[その4] 「多読」の効果と方法

ここまでに、大切な本番の限られた時間内で、やっかいな英語長文が正確に解けるようになるための手順として「語彙力をつける」→「精読ができるようになる」→「正しい速読練習方法で行う」ことを、お話ししてきました。
この章でお伝えする『多読』とは、ただ単に大量の英語を読むことが大切だということではありません。自分のレベルにあった英語長文を多読することによって、以下に記載している効果が期待でき、英語の長文が大変読みやすくなります。以下では、多読の【効果(1)~(4)】と【方法(1)~(3)】について説明します。

① 多読の【効果】

【効果(1)】英単語力の向上
 英文の多読を通じて、多くの単語や表現を自然な文脈で経験することができます。これにより、新しい単語やフレーズを覚えることが容易になり、語彙力が向上します。

【効果(2)】英語構文の理解
 英文の多読は、英語の文法や文構造を自然な形で学ぶ機会を提供します。文脈に基づいた学習は、文法のパターンや使い方を直感的に理解するのに役立ちます。

【効果(3)】英文読解力の向上
 英文の多読は、リーディングスキルの向上に効果的です。多くの英文を読むことは、理解力が高まり、文章全体の意味や詳細を把握しやすくなります。

【効果(4)】英語発音やリスニングの改善
 英文の多読は、文章を読むことで英語のリズムやイントネーションに慣れる機会を提供します。これにより、英語を読み内容を理解する力だけでなく、発音やリスニングのスキルもまた向上が期待できます。

② 多読の【方法】

【方法(1)】適切なレベルの英語長文を選ぶ
 自分の英語のレベルに合ったテキストを使うことが大切です。始めは自分のレベルよりやややさしめなものからスタートしましょう。例えば、英検準2級を合格している人ならば3級の英文を。英検2級取得者は、準2級の長文を使い、設問の正解率が安定して9割以上とれるまで続け、その後に級をあげ多くの長文をストレスなくたくさん読むことが大切です。

【方法(2)】時間をはかること
 英文の多読では、テキストを速読しながら読むことが重要です。単語やフレーズにこだわらず、ストーリーや文章全体の流れを把握することに焦点を当て読みます。そして、必ず時間を短めに設定して、時間をはかって問題を解くことが集中力をあげ、本番でも力を発揮できる読み方のスキルが身に付きます。

【方法(3)】辞書は最小限に使用する
 英文の多読では、辞書を使わずに読解力を養うことを念頭にいれ読解していきます。理解できない単語やフレーズがあっても、文脈から推測し、読み進めることを意識してください。

会話練習、リスニングのトレーニングなどの多読を補完するために、他の学習方法やスキルの練習も取り入れながら、徐々に難易度を上げながら続けていくことで、英語力の向上につながります。

英語長文速読[その5] 普段の生活で心がけること

英語長文の読解力を上げるためには、英単語帳や英語の参考書ばかりを使っててもだめです。日常の生活からいろいろな情報をあつめ、経済や教育、産業などをテーマにした分野の長文が出されていても、問題がないように普段からニュースや新聞によく触れ常識を身につけておくことが大切です

① 英語長文の出題分野で苦手をなくすことは大切

基礎的ではありますが、英検などの資格試験のみならず高校大学入試の長文問題では、多岐にわたるジャンルの文章が出題されることが一般的です。以下に、よく出題されるジャンルをいくつかご紹介します。

【社会科学】
政治、経済、社会などの社会科学に関する記事が出題される
ことがあります。これらの文章では、政策や社会問題、経済の動向などについて述べられることが多いです。
【文学・文化】
小説や詩、文化的なテーマに関する文章が出題されることがあります。文学作品や文化の背景や、映画や音楽などの文化活動にについての知識を尋ねられるときもあります。
【科学・技術】
化学、生物学、物理学、情報技術などの科学的なテーマに関する文章は利きりの学部を中心に出題されます。科学系の記事や学術論文を定期的に読み、科学的な概念や専門用語に慣れているいとが大切です。
【歴史・哲学】
歴史的な出来事や哲学的な考え方に関する文章が出題されることがあります。日本史もそうですが世界の歴史について 歴史書や哲学書を読むことで、歴史や哲学に関する知識を深めることが必要となります。
【環境・エネルギー】
環境問題やエネルギー政策に関する文章も多く出題されます。環境問題やエネルギーについての最新情報を追いかけ、関連する記事やレポートを読むことで、関連する用語や概念を理解することが求められます。

これらのジャンルにおいて、日常的な読書やニュースの追跡、専門的な文献の読解などを通じて、幅広いトピックに触れることが重要です。また、問題解答の訓練として、過去の入試問題や模擬試験を解くことも有効です。定期的な練習と対策を行いながら、自信を持って臨んでください。

② 日本語のニュース・新聞に触れ基礎知識をつけよう

英語長文の読解力を向上させるためには、上記の分野に少しでも精通するためには日頃から新聞やニュース記事を読むことが大切です。日頃から新聞やニュースを読んだり見る際にどのようなことを心がけるべきかについて、いくつかアドバイスをご紹介します。

【適切なレベルを選ぶ】
NHKやテレ東はおすすめ:
全てにおいて大切なことは継続することです。難易度の高い英字新聞やBBCのニュースなどはずっと続けることはかなりハードルが高いです。
経済の常識や世界の動きについての基礎知識を身につけるために、まずはNHKのニュース(10分くらい)やテレ東の経済情報番組(カンブリア宮殿)などの日本の番組でストレスなく毎日見続けることが大切です。

【コンテキストから推測する】
新聞記事やテレビ番組の中で理解できない単語やフレーズがあった場合、文脈や話の流れから意味を推測していきましょう。文脈を考慮することで、単語の意味を推測するスキルを養うことができます。

【メモを取る】
新聞記事やテレビ番組をみながら重要な情報や興味深いポイントをメモすると、後で振り返る際に役立ちます。また、メモを取ることで、文章の構造や主題の整理も行えます。

積極的に語彙を学ぶ: 新聞やニュース記事は高度な語彙や表現を含んでいることが多いです。知らない単語や表現に出会った場合は、辞書やオンラインリソースを使って意味を調べ、定着させるようにしましょう。

【積極的に語彙を学ぶ】
新聞やニュース記事は高度な語彙や表現を含んでいることが多いです。知らない単語や表現に出会った場合は、辞書やオンラインリソースを使って意味を調べ、定着させるようにしましょう。

これらのアドバイスを実践することで、英語の読解力が向上し、新聞やニュース記事をより理解しやすくなるでしょう。継続的な練習と挑戦を心掛けて、自分のペースで取り組んでください。

英語長文を速読できるようになる方法は、ただしい手順で練習していくことです。速読というのは誰もが身につけることのできるスキルです。ですので、目的意識を高くもち継続することを忘れることなく、しっかりと練習を積んでいってください。

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